進行性網膜萎縮症(Progressive Retinal Atrophy)について
その頭文字からPRAと呼ばれているこの病気は残念ながら一度発症すると治療は困難で、愛犬が失明していくのを見ているしかなくなるという悲しい疾患です。
この病気の因子をもっているかいないのか、また発病する型の因子なのかその因子を持っていたとしても生活に支障なく発病することの無い型なのか、これは遺伝子の検査をするしか特定の方法がなく、以前は特定するのが大変困難で発症して初めて分かるという状況でした。
しかし数年前から日本国内でもこの遺伝子検査を行う機関が出来たことや 海外へ検体を送って検査を代行してくれるような会社もでき、比較的日本でも 検査をしやすい環境になってきました。
オリジアスカゴシマでは全頭にPRA検査を行っています
当犬舎も繁殖者のモラルとして、また、若くして失明してしまうような悲しい子を 出さないためにも全ての繁殖にかかわる親犬達の遺伝子の型が分かるようDNA検査を行っています。
この検査を行っていることにより、お引渡しする子犬全てがこの病気により失明することが無い繁殖を行うことができております。
逆に、繁殖者全体からすれば検査せずに分からないまま子犬を繁殖しているブリーダーのかたがほとんど、と言っても良い状況です。
手間と経費、そして検査をして繁殖が出来ない親と分かってしまったらそれこそ繁殖に使うことができなくなってしまうから、という事のようです。
ダックスでも特に極めて明るい体色のカラーの個体は、大変高い確率でPRAのキャリアであることが多いという報告もあります。
検査の結果は3種類
検査によって3パターンの結果がでます。
N=クリアー(ノーマル)
因子を持たないタイプ。この犬からはすべての子犬にノーマルな遺伝子のみが送られます。
C=キャリアー
遺伝子の組み合わせの(父方、母方のいづれか)片方にこの因子を持っている。
発症はしないので普通の生活が送れるが、一つの遺伝子に変形を持っているので繁殖の相手はクリアーのみとなる。
A=アフェクテッド
遺伝子の組み合わせの(父方、母方)両方にこの因子を持っている。その多くは発症する。
この3パターンとなるので、検査さえして親犬の型が分かれば安心して繁殖することができます。
この検査が完全に100%確実ということではなく何万頭に1頭とかでは突然に発症するという事もあるらしいですが、現段階ではこの検査をしていれば安心と言えると思います。